今回は、温度管理が必要な食品を安全に消費者に提供するための仕組み「コールドチェーン」について、そのメリット・デメリットを簡単にご説明していきます。

コールドチェーンとは

コールドチェーンとは、日本語に訳すと「低温流通体系」と表現され、生産から消費者に届くまで一定の温度(冷蔵・冷凍)を保ったまま保管・輸送する仕組みのことを指します。

冷蔵・冷凍食品などの定温維持が必要不可欠な商品は、一度温度を逸脱してしまうとすぐに劣化が始まってしまうので、商品本来の品質を消費者に届けることができなくなります。そればかりか、ものによっては最悪の場合、すべて廃棄せざるを得ない可能性も出てきてしまいます。そのような事態が起きないよう、製造の段階から定められた温度帯を維持しながら保管・輸送していくことが必要不可欠になってきます。

コールドチェーンは、食品分野だけでなく、医療分野においても非常に重要な役目を果たします。今回は、このコールドチェーンを採用することによるメリットとデメリットを簡単にご紹介していきます。

メリット

食品の廃棄ロスを大幅に削減

常温流通から低温流通に切り替えることで、食品の品質をより長期間保たせることができます。今までは、数時間から長くて1日しか販売できなかった商品も、適切な温度帯で保存することができれば、長期的に販売することが可能になります。販売期間が長くなれば、それだけ売れ残りを減らすことができるので、廃棄量を大幅に削減することに繋がります。

常温配送の場合、渋滞などのトラブルが起きて長期間食品が車内で放置されてしまうと、温度変化に特に弱い食品であれば、その時点で廃棄することになるケースも多くあります。しかし、低温配送であれば、そのような予期せぬトラブルが起こったとしても、商品の品質を心配することなく、安心して売り場に届けることができます。

食品の廃棄ロスを減らすことは、限りある食材・食品を無駄なく消費することに繋がり、近年言われているSDGsの取り組みの一つでもあります。また、それだけでなく、廃棄にかかる費用も削減することができるので、企業にも環境にも良い結果をもたらします。

販路拡大ができる

温度管理が必要な商品を扱っている場合、コールドチェーンが整備されていないと、販売経路を全国に拡大したいと思っても、遠方への販売は長時間の配送で品質が落ちてしまうため、実現することは非常に困難です。

しかし、コールドチェーンがあれば、全国各地に品質を落とさず新鮮なまま食品を届けることが可能になります。EC通販の利用が増加している今、この仕組みを採用することは企業の発展のためにも必要不可欠ともいえるかもしれません。

デメリット

コストがかかる

実際にコールドチェーンを採用するとなると、取り扱う商品それぞれに適した温度帯で保存できる倉庫が必要になります。また自社で全ての物流業務を行うという場合は、それに加えて冷蔵・冷凍車、保冷箱などの輸送機器も用意しなくてはならず、常温配送と比べると、初期費用が高額になるというデメリットがあります。

温度管理の厳しさ

コールドチェーンは、製造から消費者に届けられるまでのすべての過程において、厳密な温度管理をする必要があります。輸送中に人為的ミスで温度の逸脱が起こり、商品がすべて廃棄になってしまったという例も少なくありません。そのため、流通にかかわる全ての人が、品質管理に関する高い技術力と意識を持つ必要があり、難易度は非常に高いです。

最後に

コールドチェーンが誕生したことで、より新鮮で安全な食品が私たちのもとに届けられるようになりました。メリットも多い仕組みではありますが、一貫した温度管理を行うにはコストも高い技術も必要になります。

当社では、お客様に万全に整備されたコールドチェーンを利用していただくために、商品に適した温度帯をしっかりとキープできる輸送機器をご提案いたします。

ご興味がございましたら、お気軽にご相談ください。