保冷箱は遮熱対策と断熱対策によって流入する熱の量を抑えていますが、すべての熱の流入を防いでいるわけではありません。そのままでは内部の温度は徐々に上がってしまいます。内部の温度を長時間一定に保つためには「流入した熱を奪う」工夫が必要です。その代表的な方法を二つ紹介します。

保冷箱の内部温度は流入した熱を奪うことで一定になる

熱は温度の高い方から低い方に移動します。例えば、ボックスの外部温度が35℃、内部温度が5℃の場合、外からボックス内部に熱が流入し、ボックス内部温度が上昇し、いずれ外気温度と同じ35℃になっていきます。その上昇を抑えるためには、ボックスに遮熱・断熱機能を持たせる必要があります。しかし、ボックスの遮熱・断熱機能だけで、完全に熱の流入を抑えることはできません。そこで、ボックス内部で流入した熱を奪う工夫が必要になります。

 

流入した熱を奪う①化学の力「保冷剤・蓄熱剤」

保冷剤は固体から液体に変化する際に熱エネルギーを吸収します(化学の力)。その時、保冷剤の温度は融点で一定になります。その性質を利用することで、保冷箱の内部温度を長時間一定に維持することが可能になります。

 

流入した熱を奪う②電気の力「コンプレッサー」

電気の力はエアコンや冷蔵庫などのように一般的に使用されているので、イメージし易いと思います。これらはコンプレッサーで冷媒ガスを圧縮し、強制的に液化させます。その液体が蒸発するときに周囲から熱を奪う習性を利用して、保冷箱の内部温度を長時間一定に維持します。

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