ユニバーサルデザインとは、年齢や能力にかかわりなく全ての生活者に適合する製品・空間・サービス・情報を設計(デザイン)することであり、それを実現するためのプロセスを言います。今回のコラムでは包装におけるユニバーサルデザインのために配慮するべきポイントを紹介します。

ユニバーサルデザインが求められる背景

高齢化や外国人の増加、働き方の変化・社会の変化などを理由に、生活スタイルは様々に変化しています。包装は生活の中で毎日のように使われるものです。だからこそ、多くの人が使いやすいように、変化した生活スタイルのニーズに合わせた包装設計が求められているのです。

包装におけるユニバーサルデザインへの配慮項目

包装におけるユニバーサルデザインの考え方として、以下の項目に配慮することが大切だと言われています。

  1. 表示が見やすく、わかりやすい。
    (字の大きさ、文章表現、配色などに配慮する。)
  2. 使い方が簡単で直感的にわかる。
    (容器形状、イラスト・記号などで分かりやすくする。)
  3. 怪我や誤使用を起こさず、安全である。
    (怪我・やけど・誤飲・いたずらなどを防ぐ)
  4. 開封・取り出しなどが無理なくできる。
    (開封強度、直線カット性、シール強度、開け口のつかみやすさ、再封性などに配慮する。)
  5. 適切な重量、形状である。
    (持ちやすさ、握りやすさ、安定性などに配慮する。)
  6. 廃棄時に分別が容易で、嵩張らない。
    (ガラス、金属、プラスチック、紙の分別が容易で、減容化しやすい構造にする。)

身近なユニバーサルデザインの例

牛乳パック

牛乳パックの上の部分には少しへこみがあります。このへこみは「切欠き」と呼ばれるもので、低脂肪牛乳のパックにはついていません。目の不自由な人が、触っただけで牛乳と低脂肪乳を区別できるようにしている工夫です。

アルコール缶

缶ビールなどのアルコール飲料(カン)の上部には、小さな突起が付いています。これは、点字で「おさけ」と記入しているのです。目の不自由な方への配慮として、このような工夫がされたそうです。

シャンプーボトル

シャンプーボトルの頭に小さな凸状のギザギザがあるのを知っていましたか?リンスの容器にはありません。これで目をとじたまま触わってもシャンプーとリンスの容器を区別することができます。

 

この他にも、建物の中で見ることのできる、トイレやエレベーターの場所を表すピクトグラム(絵文字)なども、身近なところで見られるユニバーサルデザインなのです。