今回は、弊社で行っている保冷箱設計のプロセスについて、簡単にご紹介します。

保冷箱設計に必要な要素

保冷箱を設計していくにあたって、まず考えなければならない要素があります。それが、ボックスの性能保冷剤についてです。

ボックス性能は、「断熱材の種類や厚み」、外からの熱流入に影響する「気密性」「遮熱性」によって左右されます。また保冷剤は、融点の種類、数量、箱内のどこに配置するかを予め決めておかなければなりません。

これらの多様な選択肢の中から、最適な組み合わせを選ぶことが、保冷箱の設計において最も重要になります。

設計プロセス

保冷箱設計は、無数にある要素の組み合わせを検証するところから始まり、以下のプロセスを踏みます。

最適な保冷箱を決定するまでの過程では、いくつかの選択肢に絞り込み、必要な温度条件、輸送条件を満たすことができるかどうかの検証をしなければいけません。その検証方法が的確でなければ、誤った選択をしてしまうことになります。誤った選択をしてしまうと、なかなか必要な温度条件を満たせず、実験を繰り返すことになり、時間とお金の浪費に繋がります。

よって、プロセスの初期段階である絞り込みのための検証が何よりも重要になってきます。

弊社では、この検証の段階で、より的確に条件を満たすことができる選択を行えるよう、オリジナルの温熱解析シミュレーションを使用しています。

温熱解析シミュレーション

温熱解析シミュレーションとは、コンピューター上で仮想のモデル・環境を設定し、計算するものです。

弊社で開発した温熱解析シミュレーションは、多くの保冷ボックスメーカーが従来より使用している計算式よりも、精度が高いものになっています。

一般的な計算式では、箱内温度が一定の状態でその他の要因を決定しています。しかし、箱内温度が常に一定ということは、実際にはありえません。箱内温度が変われば、ボックスに流入する熱量が変わるため、一般的な計算式としては矛盾しています。

それに対して、弊社で使用している計算式は、温度に影響を与えるすべての要因を入力した上で、常に変化する箱内温度を出力する計算式になっており、精度高く予測できます。

終わりに

弊社では、お客様のニーズに叶う保冷箱を安全に早く提供するために、最適な設計プロセスを立てています。

輸送シーンに合わせた保冷箱のバリエーションも多数取り揃えておりますので、お気軽にご相談ください。