パッケージにおける ” 色 ” の役割

「パッケージはセールスマンである」。モノづくりや包装に関わる人であれば、この言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

現在の売り場において、パッケージの力が売上を大きく左右します。その ” 売る力 ” として重要な役割を果たしている要素の1つが ” パッケージの色 ” です。

では、” 色 ” はどのような販売効果を生み出しているのでしょうか。大きく分けて、3つの側面があります。

販売効果① ” 商品イメージ色 ”

バナナは黄色、卵黄を黄色。バターも黄色。従って、このようなものが入っている商品のパッケージには黄色を使うことが多いです。

昔、白いマーガリンが売り場に並びました。しかし、売れ行きは非常に悪かったそうです。マーガリンは、精製された牛脂、豚油、魚油、植物油などから作るのですが、そのままだと白いマーガリンになってしまうそうです。消費者にとって、マーガリンは、いわばバターの代用品です。であれば、もっとバターらしさが必要であり、白いマーガリンは、見た目のバターらしさが欠如していたため、全く売れませんでした。そこで、黄色のマーガリンを作り、低カロリーのバターとして売り出したところ、大ヒットしたそうです。

このように、心理的に抱いている商品イメージを連想させるために ” 色 ” を上手く活用することで販売効果を生み出します。

販売効果② ” 等級色 “

高級感を演出する色の基本は、金色、銀色です。その他にも、黒色のように、高級感を出す色の使い方はたくさんあります。ちなみに、高級感を出す勉強にお勧めの売り場は、チョコレート売り場です。高級感や高貴色の使い方の実例がたくさん並んでいます。

このように、” 色 ” を使って商品の高級感を高め、販売効果を生み出すことができます。

販売効果③ ” ファッション色(差別化色) “

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同じ服を毎日着ていると飽きてくると思います。その心理を利用して、ファッション市場が成り立っています。パッケージにおいても、そのパッケージデザインの色使いには流行りがあります。新製品を追跡していると、今の流行色や使い方がわかります。

このように、その時々の流行りの ” 色 ” を使用することで、消費者の目に留まりやすくしたり、他社との差別化することによって、販売効果を生み出すことができます。

 

パッケージにおいて、” 色 ” は売れる売れないを決める重要なポイントです。次回は、色の持つ意味やイメージをご紹介したいと思います。

執筆者:パッケージアドバイザー 安宅