人は見た目が9割

『人は見た目が9割』。過去に大ヒットした本の題名でもあり、誰もが知っている名言ではないでしょうか。少し前には「人は見た目が100%」というアニメがドラマ化されたこともありました。言葉の通り、人の印象は見た目で決まってしまうということです。

一体なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?そこには人間の本質的なことが原因にあります。

人は視覚で物事を判断する生き物である

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人間には五感があり、その五感でいろいろな情報を受け取ります。五感とは、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の5つの感覚のことです。

これらの五感が、私たちの行動をどのように支配しているか、それぞれの影響力の数値が以下になります。

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視覚で受け取る情報の割合はなんと83%(約9割)なんです。人間は本質的に視覚情報で物事判断してしまうんですね。

実は、この視覚情報が強いことが原因でで、パッケージデザインが商品自体の価値に大きな影響を起こすことがあります。それが ” 感覚転移 ” という現象です。

感覚転移とは!?

「感覚転移」とは、消費者が商品を評価する際、パッケージに対して頂いた感覚や印象を知らず知らずのうちに商品そのものに転移させる現象のことです。言い換えると、パッケージデザインが商品の価値を変えてしまうんです。本当にこんなことが起きると思いますか?では、実際に起きた事例を紹介したいと思います。

セブンアップの味を変えないで!

セブンアップというライムが効いた人気炭酸飲料があります。ある時、このパッケージの緑色に黄色を15%プラス(黄緑色を強く)して販売したとこと、お客さんからこのような苦情が入ったんです。

「大好きなセブンアップの味を変えないでください!!」

実は、中身の味は何も変えていないんです・・・。なのに、なぜこんなことが起きたのでしょうか・・・。原因はパッケージの見た目(色相)が変わったことで、味の感じ方が変わってしまったんです。こんなことが起きるなんで衝撃の内容ですよね。パッケージデザインが商品自体の味に影響することが起きてしまうんです。(パッケージの色に関しては、また別の機会のご紹介したいと思います)

パッケージデザインを考える上で、このような人の本質的特徴(視覚感覚が強い)や、感覚転移といったことを 理解しながら進める必要があります。特に、感覚転移によって商品自身の価値が変わってしまう可能性があるため、要注意なポイントです。

執筆者:パッケージアドバイザー 安宅