
VACUPRIMEとは
VACUPRIMEはシリカ系素材を使用した世界品質の究極の真空断熱材パネルです。
長期断熱性能寿命に優れ、寸法、厚みの自由度が高く、様々な産業用途に使用可能です。
ZEH住宅での断熱等級6以上の実現、保温(保冷)温度と時間の向上、消費電力およびCO2排出量の削減、保冷剤や蓄熱剤の減量化等の効果が見込め、省エネルギー社会を実現させるツールとしてご検討ください。
真空断熱パネル
とは何か…
だから、真空断熱パネルVACUPRIMEは数ある断熱材の中でも抜きんでた断熱性能を持っています。


さて、高性能な真空断熱パネルにとって、とても重要なことがあります。
それは、パネル内部を真空状態に保つことです。
弊社の真空断熱パネルVACUPRIMEは、およそ101から102Pa以下の真空度で製造しています。一方で、我々が暮らしている気圧は1気圧、つまり105Paの環境になっています。
真空断熱パネルの性能を維持するためには、その圧力差(実に1000倍以上)を保つ必要があります。
そのためには、
- 真空断熱パネルの内部には圧力差に耐えられる芯材を
封入する - その芯材は後々に有機ガスを排出しないように無機物である
- 外からパネル内部にガスや分子が侵入しないようにバリア性の高いフィルムで覆う
必要があります。
したがって、真空断熱パネルVACUPRIMEは、右図のような構造になっています。

2種類の
真空断熱パネル
一般的に芯材には2種類の素材が使われています。
芯材原料の違い

グラスウール系
内圧が上昇すると繊維状の芯材間で気体分子が移動しやすくなり、熱が伝わりやすい。日本では冷蔵庫に多く使われている。

シリカ系
内圧が上昇しても粉体同士が密接に位置し、気体分子の移動が妨げられ熱が伝わりにくい。

この芯材の違いによって、真空断熱パネルの性質は大きく異なります。
特に、その差は長期的な性能変化に顕著です。
熱伝導率の短期性能変化
*弊社商品比較による

熱伝導率の長期性能変化
*弊社商品比較による

グラスウール芯材の10年以降の数字は計算値
VACUPRIMEは、長期性能変化の少ない真空断熱パネルです
VACUPRIMEの特徴
VACUPRIMEは、芯材にヒュームドシリカを使用しており、上記の特性から、長期的に性能が劣化しないという特徴を持っています。
さらに、VACUPRIMEは、他の真空断熱パネルと比べて、以下の大きな特徴を持っています。


軽量
真空断熱パネルは、一般的な断熱材に比べて、どうしても重たくなってしまいますが、VACUPRIMEはその中でも大幅な軽量化を実現しております。
真空断熱パネルの密度比較


大きさ
真空断熱パネルの性能をより発揮させるために、またコスト的にも、パネルは細かく割らずに大きく使いたいものです。VACUPRIMEは業界最大の真空断熱パネルです。その大きさは、970x1750㎜。他のヒュームドシリカ製の真空断熱パネルにくらべて3倍の大きさまで製造可能です。


多様な厚み
グラスウール芯材の真空断熱パネルは、製法上および原材料の制約から6㎜から20㎜までの所定の厚みでしか作れません。VACUPRIMEは特殊な製法により、業界最薄の3㎜から最大30㎜までの自由な厚みで製造が可能です。レイアウトの制約等の限られた空間に断熱を施したい時に最適です。(ロット制約がある厚みもございます)

なぜ真空パネルが高断熱なのか?
熱の移動を抑えたければ、どうすれば良いのか?
その答えは、VACUPRIMEを使うことです。
その理由を説明する前に熱の正体を知ってもらいたいと思います。
ずばり!!熱の正体は、分子の運動エネルギーです。

ある物体にエネルギーを与えると、その物体を構成する分子は激しく動き出します。
その動きが温度を上昇させ、その状態を「熱を持った」と表現します。
何らかの要因で部分的にエネルギーが加わり、その部分の分子が激しく動き出すと、
その振動は隣の分子に波及し、隣の分子も激しく動き出します。
そして、またその隣の分子に振動が伝わっていきます。それが、「熱移動の正体」です。
では、その熱移動を抑えるためには…
伝わる隣の分子を少なくすれば良いのです。
一般的な断熱材は、分子密度の低い空気を内包させることで、隣の分子の数を減らし、
熱移動を抑えています。

しかし、もっともっと移動を抑えたければ・・・
分子を無くせば良い、つまり何もない真空状態にすれば良いのです。

それが真空断熱パネルVACUPRIME™
DATA SHEET
項目 | スペック |
芯材主成分 | シリカ |
外観 | 銀色 |
熱伝導率 | ≦0.004W/mK |
密度 | ≒0.17g/cm3 |
耐熱温度 | 90℃(耐熱フィルムの場合100℃) |
湿度耐性 | 0%~70% |
初期内圧 | ≦200Pa |
圧縮強度 | ≧140kPa(10%変移時において) |
厚み | 3~30㎜ |
最大寸法 | 1750x970㎜ |
最小寸法 | 250x200㎜ |
- 単一R曲げ加工は可能
- 穴あけ、異形は原則不可
ご使用用途

断熱ボックス(定温輸送容器)
医薬品、検体、ワクチン、化学品、電子部材、食品

電化製品
給湯器、冷蔵庫、自動販売機

コールドチェーン輸送容器
冷凍車、冷凍コンテナ、パレットシッパー

モビリティ
鉄道、自動車部材、バッテリー断熱

建築材料
床、外壁、屋根、浴室周り、リフォーム
弊社の取り組み
弊社は、これまで「日本の物流に新しい風を」をスローガンにお客様の物流をより良いものにして頂くためのボックスやパレットといった物流機器を開発し、提案してまいりました。昨今は、食品や医薬品といった温度管理が必要な貨物をより安心して輸送したいというニーズを頂き、様々な定温輸送ツールの開発に注力してきました。
定温輸送ツールにとって重要なことは、「いかに熱を遮り、内外温度差を長時間維持するか」であり、その鍵になるのは断熱材です。
2021年までは、定温輸送ツールを製造する際には、社外から断熱材を購入して組み込んでいましたが、その鍵となる断熱材を自社で製造する方針に切り替え、中でも抜群の性能を保持する真空断熱パネルを製造することにしました。

真空断熱パネルへの想い
2022年3月から、真空断熱パネルの製造を始めました。
それまでは、高性能な定温輸送ボックスを製造する際には、真空断熱パネルを社外から購入していましたが、その寸法公差は小さくなく、結果的にボックスの気密性を損ね、性能低下の原因になっていました。特に小型の定温輸送ボックスにおいては、致命的で、折角、真空断熱パネルを使用しているのに、期待通りの性能が出ませんでした。
「納得のできる定温輸送ボックスを作りたい」、その思いで、真空断熱パネルの内製化を始めたのです。
とはいえ、当時の弊社の技術で製造できるものは、比較的容易に製造のできるグラスウール芯材の真空断熱パネルのみでした。(当時の日本ではヒュームドシリカ芯材の真空断熱パネルを製造できる会社は1社もありませんでした)しかし、グラスウール芯材の真空断熱パネルは短期的な性能に優れているものの、長期的には性能が低下してしまう性質を持っています。
とはいえ、定温輸送ボックスのような物流用途であれば、一般的に5年を超えて使用されることは少ないため、グラスウール芯材の真空断熱パネルでも何とか使えないことはないだろうと判断した上での割り切りでした。
そういった事情もあり、自社で製造するグラスウール芯材の真空断熱パネルを組み込んだ定温輸送ボックスは、その長期的な性能劣化についてお客様にご説明し、ご納得頂いた上で、使って頂いていましたが、長期的なご使用が想定される物流用途以外のお客様にご案内することは控えていました。
AGC株式会社様が日本で初めてヒュームドシリカ芯材の真空断熱パネルの開発、製造に成功しました。さらにその後、AGC様が、その真空断熱パネル事業を譲渡することになり、2024年4月に弊社が譲り受けることになりました。和歌山市に新工場を開所し、AGC様から製造ラインの移設、技術指導、ご支援を頂き、2024年10月からヒュームドシリカ芯材の真空断熱パネルの量産を開始しています。日本で唯一のヒュームドシリカ芯材の真空断熱パネル製造ラインになります。
ヒュームドシリカ芯材の真空断熱パネルは、グラスウール芯材とは違い、長期的な性能劣化はほぼありません。しかも、グラスウール芯材と比べて、軽量であり、サイズも厚みも柔軟に対応できます。この真空断熱パネルであれば、物流用途以外のお客様にも自信をもってお奨めできます。
是非、ヒュームドシリカ芯材の真空断熱パネルのご採用をご検討ください。
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