商品を販売するまでの過程では、輸送や保管時に商品が壊れないよう保護するためにパッケージ(包装)を製作します。今回はそのパッケージのデザインについて、マーケティングの視点からどのような役割があるのか簡単にご紹介します。
パッケージの広告的役割
パッケージデザインには、広告的な役割があります。例えば、「これは新商品です!」「これは期間限定商品です!」「この商品の特徴は〇〇なんです!」など、パッケージデザインで消費者に伝えたい内容や特徴をしっかり伝え、手に取ってもらう、これが広告的な役割です。よく、パッケージデザインは ”サイレントセールスマン” と言われていますが、まさに「売り場で生産者に変わって消費者に商品の良さを伝える営業マン」としての役割を果たしています。
パッケージのブランド構築的役割
また、パッケージにはブランド構築的な役割もあります。パッケージデザインは、消費者の頭の中に刻まれる大切なブランド資産です。例えば、真っ赤な缶を見るだけで、「これはあの炭酸飲料だ!」とか、水色の缶を見ると「これはあのスポーツドリンクだ!」などとイメージすると思います。
ここで問題です。以下のシルエットから連想する商品はなんでしょうか??

多くの方が「これはあの乳酸菌飲料だ!!」とお答えになったのではないでしょうか。このように、パッケージの色や形を見るだけで、その商品が自然と頭の中に浮かんできます。これが、パッケージデザインのブランド的な役割です。
結論 ~パッケージデザインは広告かブランドか!?~
では、パッケージデザインの役割は広告なのか、ブランドなのか・・・。結論、両方の役割があり、その役割は商品ライフサイクルとリンクします。
新商品の時は、まずパッケージデザインが目に留まり、手に取ってもらい、買ってみたいと思ってもらうような”広告的役割”が必要となります。しかし、徐々に売れていき、商品認知が進むにつれて、”ブランド的役割”が重要となってきます。発売開始時から時間をかけて、広告的役割からブランド構築的役割へとパッケージデザインの役割は変わっていきます。
執筆者:安宅 寛記