食品輸送における品質の向上とドライアイス削減を実現した事例を紹介します。

鮮度を落とさずにひき肉を運びたい

食品卸をされているお客様から、「鮮度を落とさず、ひき肉を他製品と冷蔵車で混載しながらパーシャル温度で運びたい」とご相談いただきました。
一般的にひき肉などの精肉商品はパーシャル温度帯(0℃~-3℃付近を言います。 魚や肉がわずかに凍り始める絶妙な温度です。)で保存されるのが最も鮮度を維持できるといわれています。
今までは、ひき肉を積載したかご車にシッパー(アルミのカバー)を被せ、その中にドライアイスを入れて輸送されていました。しかし、ドライアイスを使用すると、近くにあるひき肉は完全に凍ってしまい、遠くにあるひき肉は溶け出してしまうという問題が起きていました。
完全に凍結してしまうと、肉の繊維が機械的に破裂し、鮮度が下がります。また、温度が上がると、肉の旨み成分が水分となって溶け出す「ドリップ」という現象が起き、こちらも鮮度の低下に繋がります。

箱全体が均一に冷える工夫とドライアイス削減

そこで今回は、箱全体が均一に冷えるように、保冷性能の高い大型保冷箱をかご車に合わせて製作し、ご提案しました。また、冷媒をドライアイスから保冷剤に切り替えたことで、ドライアイス費用を削減することもできました。運用テストを行っていただいたところ、希望の温度帯を維持し、ドリップなどの問題も解決することができました。

 専用保冷剤

連結可能で薄型(t12)のオリジナル保冷剤(UT)をボックスの壁面に吊り下げて箱全体に冷気が回るようにしています。

用途に合わせたカスタマイズ

狭いトラックの中でも扉の開閉がスムーズにできるよう、横開きではなく、扉を縦に4分割にしました。

終わりに

要保冷商品の品質保持や、ドライアイスの削減、置き納品の運用方法づくりなど、食品輸送のお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。様々なツール・方法をご提案させていただきます。