今回は、輸出品の梱包によく使用される木材の取り扱い上の注意点についてご説明します。

木材で梱包する

海外へ製品を輸送するための梱包材には、強化段ボール・木材・スチールなどがあります。その中でも特に木材は、段ボールより丈夫でスチールよりも安いという利点から、多く使用されています。

メリットも多い木材ではありますが、反対に、輸出用として取り扱う場合には厳重な注意を払う必要がある部材でもあります。今回はその重要な注意点についてご説明します。ぜひ、木材梱包を検討の際にお役立てください。

木材の取り扱い注意点

木材には、虫がつきやすいというデメリットがあります。もし、輸出時に使用した木材に害虫などが付着していたら、輸入国の生態系を崩す等の、被害が及ぶ可能性があります。

そのような事態を未然に防ぐ為に、アメリカをはじめ、様々な国で梱包用の木材についての国際基準が設けられています。(ISPM NO.15「国際貿易における木材こん包材の規則」)加盟国には、その規則に沿った処理を行う事を義務化しています。その規則により、輸送用に木材梱包をする時には、虫害を防ぐための消毒が必要不可欠になります。

※国際基準で規制されている木材とは厚さ6mm以上のことを指します。6㎜以下の木材で作られたベニヤ板やLVL木材については、対象外となります。(処理せずに使用可能)

【木材の消毒処理の方法】

木材の消毒方法としては、一般的に熱処理が使われています。今回はその熱処理の方法について少し説明致します。

【熱処理の方法】

熱処理は木材を加熱室に入れ、木材の中心温度を56℃以上で30分間以上加熱する方法(HT)と、誘電加熱(例:マイクロウエーブ)により木材の断面全体を連続して1分間60℃以上で加熱し続ける方法(DH)の2種類があります。※弊社で扱っている木材はHTの木材となります。

 

【熱処理後の木材】

消毒を行った木材には、必ず熱処理済みであることを識別するためのスタンプが押印されます。

スタンプが不鮮明であったり、押印されていなかった場合は、輸出許可が下りず、現地から返送されたという事例もあります。そのような事態を防ぐ為にも、しっかり押印されているかの確認をすることが大切です。

さいごに

弊社では、成田空港と関西空港及び、和歌山に梱包施設を設けております。ちなみに、ワコンで使用している木材は、梱包用として栽培されている木を伐採し使用しています。自然培養の木を伐採していませんので、環境にも配慮しております。

ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。