今回は、生活の中でよく目にする段ボール箱の形について、それぞれの用途も合わせてご説明していきます。

段ボール箱の基本形状

私たちが日常的に誰かに荷物を届けようとするときや通販で商品が届くときに、手に取る包装資材の多くは段ボールです。

段ボールと一口に言っても、その形状は様々。何を包装するかによって、求められる形状は変わってきます。

段ボール箱の基本的な形式は、大きく分けると以下の種類があります。

A式・B式・C式・タトウ式

これらの名称は、業界内でよく使用されているもので、公式の呼び名ではありません。JISでは、A式が0201形といったように4桁の数字でそれぞれの形状が規定されています。

ですが、今回は、よりポピュラーな呼び名として、これらの表記を使用して説明していきます。

A式

一番よく目にするのが、この形ではないでしょうか。「ザ・段ボール」といったこの形状は、みかんの梱包用として昔から使用されることが多かったため「みかん箱形式」と呼ばれています。

製造では、特別な型での加工を必要とせず、機械での高速・大量生産が可能なため、製造費を最小限に抑えることが出来ます。

蓋部分(フラップ)の長さは、中心で突き合わせになるくらいのものが主流ですが、天面のフラップがないものやフラップ同士が重なり合うような形状もあります。

フラップの形と用途については、次の機会に詳しくご紹介しますね。

B式

ケーキ用の箱としても使われるような蓋差し込み型の形状。「キャラメル箱式」とも呼ばれます。

B式は特に、設計次第で製造方法が大きく変わる形です。例えば右上の展開図例①は、一見分かりにくいかもしれませんが、2パーツで形成されています。AとBの継ぎしろ部分を合わせて止金で止めたり、ノリで接着したりします。この形の場合だと、特別な型を作る必要なく、様々な寸法の箱を作ることが出来ます。

展開図例②の方は、底面がA式と同じ中央が突き合わせのフラップになっています。こちらの形は、型の製作が必須になります。

組み立てが比較的簡易であることもこの形式の特徴です。

C式

お弁当箱のように、蓋と箱本体が分離した形状。この形は、A式よりも蓋の開閉が容易にできるため、繰り返し開け閉めするような用途に向いており、ギフト箱などに用いられています。

A式同様特別な型が不要なため、比較的安価に作ることが出来ます。

タトウ式

1ピースで継ぎしろ無しで組み立てることが出来る形状です。「タトウ」という呼び名は、着物を包む紙「畳紙(たとうし)」と同じ包み方をすることに由来しています。また「ヤッコ式」と呼ばれることもあり、これは折り紙の奴の形に似ていることに由来しているそうです。

書籍やCDケースなどの平たい形状の物の包装に使われます。組み立ては容易ですが、封をするにはテープなどの副資材が必要になります。

最後に

今回は、段ボールの基本形式として、その代表的な形状をご紹介しました。これらをベースとして、細部の形状を変えることで、様々な派生型が生まれています。

弊社では、お客様のご要望に合わせた箱を営業自らが一から設計いたします。今使っている箱を見直したい、新規で箱を作りたいとお考えのお客様は、ぜひワコンにご相談ください!