色には意味がある

パッケージにおいて、色は売れる売れないを決定づける大切な要素です。どんな色にも意味があり、使用する色によって、消費者が商品に抱くイメージや価値が大きく変わってきます。それぞれの色が持つ意味をご紹介したいと思います。

赤色には、愛情、革命、野蛮、通俗的といったイメージがあります。連想するものとしては、りんご、血、日の丸、闘牛、太陽、健康、赤ん坊、女性などが挙げられます。刺激が強く印象的で、広告やパッケージなどではこの印象の強さが効果的と見られ、よく用いられます。赤色のパッケージで成功するものが多く、コカ・コーラやカゴメの赤はよく知られています。

青色には、静かさ、清々しさ、冷たさ、消極的、知的なイメージがあります。青空、海がそのイメージの源です。清涼感や清潔感を想起させるため、洗剤パッケージなどに多く用いられています。一方、色味の濃い、紺色のような色では、落ち着いた雰囲気があるため、高級感のあるパッケージにすることが出来ます。

緑色は、静かさ、安心、平和、自然、健康、純情といったイメージがあります。また、赤のような温かみを想起させる暖色、青のような冷たさを想起させる寒色のどちらにも属さない、中間色のため、ニュートラルなイメージもあります。緑は木々などの自然の色でもあるため、気持ちを落ち着かせて癒してくれる心理的効果があります。パッケージでは、天然成分由来の材料を用いているなど、ナチュラルさを謳いたい場合などにもよく用いられます。

黄色は、喜びや楽しさを想起させ、明るくて活発、ポジティブ、溌剌といったイメージを与えます。連想するものとしては、バナナ、ひまわり、卵の卵黄などが挙げられます。また、黒や赤、青などと組み合わせることで、コントラストが強くなることから、他の色と組み合わせて用いることが多くあります。果皮を連想させることから、柑橘系のフレグランスを用いた商品のパッケージや食品のパッケージに使われることも多い色です。

白色は、何よも清浄の色であり、純潔の色です。清潔なイメージがあるこの色は、他の色を引き立てる役割があります。また、神聖なイメージがあり、純粋さや希望、厳粛さを与える色です。身の回りにある日用品などで多く取り入れられています。病院や介護施設などを象徴するイメージもあり、コーポレーカラーなどでも多く使われています。ただし、白色はよごれやすい、イメージが弱いといった弱点があるので、使い方には注意が必要です。特に、パッケージにおいて汚れは天敵です。

黒色は、” 悪い ” というイメージがありますが、様々な場面で多く使用されている色です。特に、高級品に用いる色として重宝されています。高級品だけでなく、男性にアピールするような商品や、ウイスキー、ブラックコーヒー、ブラックチョコレートといった無糖食品には黒色が使われることがほとんどです。パッケージで用いられる黒のイメージは、男らしさ、高級さ、しぶさ、個性的といった黒色の象徴力を利用しています。

 

このように、色には様々な意味があります。商品パッケージを考える際は、色の好き嫌いだけで決めるのではなく、これらの意味を考えることによって、商品価値を消費者に伝えることができます。

執筆者:パッケージアドバイザー 安宅