パッケージはセールスマンである
『パッケージは物言わぬセールスマン』、現代では常識となりつつあります。
従来、パッケージにもとめる役割は ”品質保護”と “運びやすく” することでした。現在は、その2つの役割に “情報伝達” という新しい役割が求められています。例えばこんなことです。
・ 中身(商品)が何なのか
・原材料、成分、内容量など
・製造者及び販売者
・賞味期限
・使用方法
・商品価値
役割が大きく変わった分岐点は、“スーパーマーケット” が出来たからだと言われています。昔の買い物スタイルは、近所の商店街に出向き、八百屋さんや魚屋さんなどで様々な商品を購入していました。どの商品がいいのか、どれがおススメなのか、どう食べれば美味しいのかは、お店の人が親切に教えてくれました。そう、売り場には常に人が居たんです。しかし、現在の買い物スタイルはスーパーマーケットやドラッグストアなどの小売店が中心になっています。(近年はコロナ禍によりオンラインも増えていますが)
小売店の売り場には基本お店の人はいません。説明してくれる人がいないんです。そのため、商品自身で自分自身が何者なのかを語り、良さを伝える必要が出てきました。その役割をパッケージデザインが担うこととなったんです。
パッケージに関する大きな間違い
では、売れるための ”パッケージデザイン” をどう考えればいいのでしょうか?ここで、多くの方が陥る大きな間違いがあると考えています。それは、以下のような考え方です。
・中身(製品)が良いからパッケージは何でもいい(安いが一番)
・有名なデザイナーにお願いし、お金を掛ければ売れる
・個性的な(目立つ)パッケージが売れる
・カッコいい、可愛い、オシャレなパッケージが売れる
・自分(製作者)の好みや主観でパッケージをつくる
あなたの娘(商品)に花嫁衣裳を着せよう
私が尊敬している一人、伊吹卓さんの本にこんなことが書かれていました。
『 あなたの娘(商品)に花嫁衣裳を着せよう 』
娘を嫁にだすとき、花嫁衣裳を着せる。それが親心である。
同じことが商品にも言える。
商品はお客さんの前で、集団見合いをしているようなものである。
お客さんは、いろいろな商品の中から、選り取り見取りで買う。
だから、パッケージという衣裳を、お客さんの好みに合わせて作ることが大切である。それさえうまくいけば、ビックリするほど売れるようになる。
パッケージデザインとアートは違う・・・。パッケージデザインは戦略をうつす鏡である
そもそも、パッケージデザインを軽視した商品は絶対に売れません。しかし、主観や見た目だけでパッケージデザインを作っても売れません。
パッケージデザインは ” 販売戦略を映す鏡 ” だと考えています。要するに、売れる商品を創るためには、その販売戦略が何より重要です。念入りに売れる販売戦略を練り、その販売戦略を表現(イメージ)したものがパッケージデザインとなります。
パッケージデザインはイメージを創り、そして、そのイメージが販売を左右します。
商品がなぜか売れない、ライバルに負けてしまう・・・。もしかすると、その理由は
『 パッケージデザイン 』にあるかもしれません。
執筆者:パッケージアドバイザー 安宅