どこでも売れるパッケージ = 売れないパッケージ
商品パッケージを企画する際、「スーパーマーケットでも、道の駅でも、百貨店でも、高級デパートでも売れるパッケージをつくる」といって製作を進めてしまうことがよくあります。確かに、誰にでも、どこでも売れるパッケージは最強ですよね。
しかし、実際このように誰にでも、どこでも売れるパッケージは売れないことがほとんどです。
” りんご ” を買う人の目的は!?
” りんご ” を買いにくる人の気持ちを考えてみます。
① スーパーマーケットに ” りんご ” を買いに来る目的は?
スーパーマーケットに来るお客様は、ほとんどが主婦の方々です。この方たちは、家族が食べるために、夕食後のデザートとして ” りんご ” を買いにきます。日々の家計をやりくりするため、少しでも安く買いたいと思っています。自宅用に使用しますので、もちろんパッケージなど無くても問題ありません。パッケージにコストをかけず、パッケージ無し(裸)で陳列してもいいのではないでしょうか。
② 道の駅に ” りんご ” を買いに来る目的は?
道の駅に来るお客様は、観光客が多いのではないでしょうか?この方たちの目的は、地元に帰った際のちょっとしたお土産である場合が多いと思います。よって、裸ではなく、お持ち帰りしやすい手提げ袋や、〇〇名物や△△特産物といった産地を感じさせるデザインが良いと思います。また、1個単位ではなく、3個や5個入りぐらいの方がさらに買いやすいのではないでしょうか。
③ 百貨店や高級デパートに ” りんご ” を買いに来る目的は?
百貨店や高級デパートに来るお客様は、自宅用やお土産用ではなく、大切な人へのギフトや贈答用に購入することが多いと思います。「特別感」「高級感」であることを表現したいので、パッケージの見栄えや何に入っているかが重要となります。例えば、高級感・重量感が感じられるギフト箱や、桐箱、風呂敷などで包むパッケージが良いのではないでしょうか。
売り場によって、買う ” 目的 ” は違う!
このように、売り場によって同じ ” モノ ” を売るとしても、買いにくる目的もお客様も大きく違います。目的やお客様が違うということは、それに応じてパッケージを変えないと売れません。
” りんご ” を売っている人は ” りんご ” を売っていますが、買い手は ” りんご ” を買うことが目的ではありません。
どんな ” モノ ” でも、どこで売るのか、誰に売るのかを絞りこみ、お客様の買いにくる目的を考え、それに見合ったパッケージを企画することが重要であり、これこそ ” 売れる ” ポイントとなります。
執筆者:パッケージアドバイザー 安宅