近年、SDGsに向けた活動が世界各国に広がる中で、「CO2の排出量削減」は企業が取り組むべき大きな課題として注目されています。今回は、多くの企業が運搬などに使用している『プラスチックパレット』に着目し、これからの時代の流れに対応したパレットの在り方を簡単にご説明します。

SDGsに向けた脱プラの動き

2015年、国連の持続可能な開発サミットにて、私たちがこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標「SDGs(持続可能な開発目標)」が立てられました。その目標の中でも、地球環境を守るためにCO2の排出量を削減することは、各国そして企業単位で目指すべき重要な目標です。

CO2排出量を減らす具体的な方法の一つに、生産と廃棄の過程で多くのCO2を排出するプラスチック製品の削減が挙げられます。最近では、ヨーロッパを中心に使い捨てプラスチック製品の輸入を禁止する法案が採択されました。日本においても、バージンプラスチック製品の利用を抑制するための方針が打ち出されています。

このように、世界中で脱プラが推進されるようになると、普段から使っているプラスチック製品の在り方も大きく変わってきます。

ここでは、物流シーンで頻繁に使用されているプラスチックパレットのこれからをご紹介します。

プラスチックの強度はそのままに 環境に優しい素材へ切り替える

リサイクルプラスチックパレット

パレットの素材をバージンからリサイクル材に切り替えることで、廃棄パレットの処理で発生するCO2量を減らすことができます。「リサイクル材はバージン材よりも強度が劣る」というイメージがありますが、最近ではリサイクル技術が向上したことで、バージンと変わらない強度で使用できる製品も多く誕生しています。

また、こういった製品は、パレット上にリサイクル材を使用していることを印字できる場合も多いので、企業の環境貢献活動をアピールすることもできます。

他にも不要になった廃棄パレットを回収・下取りして、再製品化するサービスもあり、使い捨てプラスチックの廃棄量削減に役立てることができます。

プラスチック製品の輸入規制対策に備える

段ボールパレット

EUのプラスチック製品輸入規制に対応する代替品として挙げられるのが、段ボール製のパレットです。

段ボールは、プラスチック製と比べると強度は落ちますが、リサイクル率が99%と非常に高く、使用後は資源ごみとして処理することができるので、送り先の負担も少ないというメリットがあり、これからの時代に適した素材と言えます。

木製パレットもプラスチックの代替にはなりますが、産業廃棄物扱いになるので、送り先の処理負担が大きくなるというデメリットがあります。

最後に

これからの時代、バージンプラスチック製品を使用し続けることは、地球環境に悪影響なだけでなく、社会貢献に対する企業姿勢も疑われかねないという状況が起こります。

そのような状況を回避するために、パレットなどの普段からよく使用するプラスチック製品に目を向け、環境に優しい素材へ変えられないか、リサイクルなどの有効活用はできないかなどと常に考え、行動していく必要がありますね。